こんにちは、ヤックル(@yackle89)です!
資産6億円超(2026年4月時点)の個人投資家として知られる「ヘム」氏の新刊が、2026年7月10日に発売されました。
タイトルは『マンガでわかる!超はじめての増配株投資』。
その名の通り、内容がすべてマンガで構成された「超」入門書です。
「増配株投資に興味はあるけど、活字の本はハードルが高い……」と感じていた方にとって、まさに待望の一冊と言えそうです。
今回はこの本を実際に手にとって、内容・構成・どんな人に向いているかを丁寧にご紹介していきます。

どんな人にオススメの本か

向いている人
株式投資にこれから挑戦したいが、活字の本はハードルが高いと感じている方
本書は基本知識・用語の説明まで含めて、すべてマンガで描かれています。
文字を読むのが苦手な方でも、ストーリーを追ううちに増配株投資の考え方が自然に頭に入ってくる作りになっています。
増配株投資という言葉は知っているが、何から始めればいいかわからない方
「増配」「割安(バリュー)」「小型株」という3つのコンセプトが章ごとに整理されており、投資の軸をゼロから組み立てられる構成になっています。
具体的な銘柄選びのプロセスを知りたい方
「いま増配株投資を始めるなら」という設定で、著者が実際にYahoo!ファイナンスを使ってゼロから銘柄をしぼりこんでいく過程が公開されています。
理屈だけでなく、実際の手の動かし方が見える点は入門書として貴重です。
暴落時にどう行動すればいいか知りたい方
第7章では暴落時の戦略が独立した章として設けられており、下落局面での立ち回り方を学べます。
著者のリアルなポートフォリオを見てみたい方
巻末付録には、著者が実際に保有する300銘柄以上がポートフォリオごとにまとめられ、増配率も併記されています。
手法の効果を実際の数字で確認できるのは大きな魅力です。
注意点
一方で、すでに増配株投資の経験が長く、指標の見方や銘柄分析の基本を熟知している方にとっては、内容が初心者向けの整理にとどまる部分もあります。
「マンガでサクッと復習する」「巻末のポートフォリオを参考資料として使う」といった読み方が合いそうです。
本書の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | マンガでわかる!超はじめての増配株投資 |
| 著者 | ヘム |
| 出版社 | 永岡書店 |
| 発行日 | 2026年7月10日 |
| ページ数 | 256ページ |
| 定価 | 1,760円(税込) |
著者「ヘム」氏とはどんな投資家か

ヘム氏は、京都大学を卒業後に総合商社へ入社し、社会人1年目から投資を開始したという経歴の持ち主です。
投資歴は29年におよびます。
30歳で脱サラして起業し、現在も2社を経営する投資家兼会社経営者という一風変わった肩書きも特徴です。
2026年5月時点で416銘柄を保有し、投資時価は6.32億円、年間受取配当見込みは税前で1,606万円にのぼります。
X(旧Twitter)では個別銘柄分析やポートフォリオ、運用成績を公開しており、フォロワーは7万人を超える人気ぶりです。
投資手法の軸は「小型割安株」「増配期待株」「暴落時の買い向かい」という3つのアノマリー。
データを重視したスタイルとその再現性の高さから、株クラ(株クラスタ)から投資初心者まで幅広い支持を集めています。
既刊に『「増配」株投資』(KADOKAWA)があり、本書はそのエッセンスをマンガでよりわかりやすく噛み砕いた入門版という位置づけです。
本書のコンセプト——「増配」「割安」「小型株」

本書の軸となる考え方は、次の3つのキーワードに集約されます。
- 増配:配当が年々増えていく銘柄を選ぶ
- 割安(バリュー):損をしづらい割安のタイミング、特に暴落時に買う
- 小型株:配当を増やす意思のある小型株を中心に据える
つまり、「配当を増やす意思がある小型株を、割安なタイミングで買い進めていく」というのが、ヘム流投資法の骨格です。
値上がり益を狙うのではなく、配当の積み上げによって資産を育てていくという発想は、既存の高配当株本ともまた違う切り口として読めます。
ポイントは、「高配当株」ではなく「増配株」を軸に据えている点です。
今すでに配当利回りが高い銘柄を買うのではなく、配当を伸ばし続ける意思・実績のある銘柄を、まだ株価が評価されていない(=割安な)うちに仕込んでおく。
時間をかけて配当額そのものを育てていくという、時間軸の長い戦略であることがうかがえます。
構成の特徴——「すべてマンガ」で学びきれる

本書がほかの投資入門書と大きく異なる点は、内容がすべてマンガで構成されていることです。
株式投資に必要な基本用語の説明から、増配株・割安株・小型株それぞれの考え方まで、ストーリー仕立てのマンガを読み進めるだけで学べる作りになっています。
活字の専門書に苦手意識がある方でも、キャラクターの掛け合いを追ううちに自然と知識が積み上がっていく構成です。
全8章+巻末付録の構成

第1章:「増配株投資」を始めてほしい
なぜ増配株投資なのか、著者からのメッセージとともに本書全体の入口となる章です。
値上がり益狙いの投資で苦労してきた人にこそ届けたいという著者の熱量が伝わる導入部で、「なぜ配当、しかも“増配”なのか」という本書全体の問いが示されます。
第2章:基本の指標から学ぼう
増配株投資を始める前提として押さえておきたい、基本的な指標の見方が解説されています。
PER・PBR・配当利回り・配当性向といった、投資初心者がまず迷いがちな用語がマンガでかみ砕かれており、これから証券口座を開く段階の人でもつまずかずに読み進められる章です。
第3章:ヘム流の授業1時間目「増配株」の威力
増配株を持つことの優位性について、具体的なイメージを持てるように解説されています。
「配当利回りが今高いかどうか」ではなく「配当が何年後にどれだけ育っているか」という時間軸で銘柄を見る視点が示され、複利的に配当が積み上がっていく感覚を掴める内容です。
第4章:ヘム流の授業2時間目「割安株(バリュー株)」
割安(バリュー)のタイミングをどう見極めるか、という視点が示される章です。
「安いから買う」のではなく「配当を伸ばす力があるのに、株価がまだそれを織り込んでいないから買う」という考え方が軸になっており、単純な逆張りとは一線を画す整理がされています。
第5章:ヘム流の授業3時間目「小型株」の魅力
小型株に注目する理由と、その魅力が解説されています。
大型株中心の高配当株投資とは異なり、まだ市場の注目度が低い小型株にこそ増配余地が眠っているという著者の持論が展開され、大型株だけを見ていた読者には新鮮な視点になりそうです。
第6章:ヘム流の授業4時間目「ヘムの株式投資」
ここまでの3つの要素(増配・割安・小型株)を統合した、著者独自の投資スタイルがまとめられています。
個別の要素をバラバラに学ぶのではなく、「なぜこの3つを組み合わせるのか」という全体設計が見える構成になっており、本書のいわば集大成にあたる章です。
第7章:暴落時の戦略
暴落局面でどう買い向かうか、著者の実践的な戦略が語られる章です。
下落相場でどうしても手が止まってしまう投資初心者に向けて、「割安のタイミング=暴落時」という考え方をどう行動に落とし込むかが具体的に示されています。
第8章:実践してみよう
「いま増配株投資を始めるなら」という設定で、Yahoo!ファイナンスを使った銘柄選定のプロセスが実際に公開されています。
理論を読んで終わりではなく、手を動かすところまで案内してくれる構成です。
スクリーニング条件の考え方から、候補をどう絞り込んでいくかという手順まで追体験できるため、「本を読んだけど結局何を見ればいいかわからない」という入門書にありがちな不満を解消してくれます。
巻末付録:ポートフォリオ別配当金&増配率の推移リスト
著者が実際に保有する300銘柄以上を、ポートフォリオごとに公開。
各銘柄の増配率も併記されており、手法の有効性を実際の数字で確認できる資料になっています。
「本当にこの手法で配当は育つのか」という一番気になる部分を、著者自身の実データで裏付けている点は、類書と比べても踏み込んだ内容だと感じます。
高配当株+インデックス投資家の視点から見た本書について

ここからは、「高配当株投資」と「インデックス投資」を組み合わせながら「FIREを目指す私自身のスタンス」から、本書をどう読んだかをお伝えします。
私は基本的に、生活の土台となる部分は全世界株式やS&P500といったインデックス投資で淡々と積み上げ、そのうえで高配当株投資によって「配当というキャッシュフロー」を作る、という二本柱で資産形成を進めています。
インデックス投資は再現性が高く、相場全体の成長をそのまま享受できる一方で、「今の生活に配当という形で還元される」実感は得にくい面があります。
高配当株投資は、そこを補うための位置づけです。
「今の利回り」と「将来の利回り」の違い
その視点で本書を読むと、ヘム氏の「増配株投資」は、私が実践している「高配当株投資」とは似ているようで、狙っているタイミングが異なることに気づきます。
高配当株投資は基本的に「今すでに配当利回りが高い銘柄」を買うスタイルが中心になりがちですが、本書が推す増配株投資は「今はまだ利回りが低くても、将来的に配当を伸ばす力がある銘柄」を、割安な小型株の中から見つけ出すスタイルです。
極端に言えば、高配当株投資が「今の利回り」を重視するのに対し、増配株投資は「将来の利回り(=取得価格に対する配当額の伸び)」を重視していると整理できます。
FIREとの相性の良さ
FIREを目標にする立場からすると、この「将来の利回りを育てる」という発想は非常に相性が良いと感じます。
リタイア時期が数年〜十数年先であれば、今日の利回りの高さよりも、そこまでの間にどれだけ配当が積み上がるかの方が、最終的な受取配当額に効いてくるからです。
特に第3章・第6章で語られる「増配の複利効果」の考え方は、インデックス投資の複利効果と発想の根っこが近く、違和感なく取り入れられそうだと感じました。
注意したい小型株リスク
一方で注意したいのは、小型株中心という点のリスクです。
インデックス投資であれば数百〜数千銘柄への自動的な分散が効きますが、小型株は個別の業績変動や流動性の低さといったリスクを抱えやすく、集中投資にはそれなりの銘柄分析力が求められます。
本書の第8章で紹介されているスクリーニングの手順や、巻末付録の300銘柄超のポートフォリオは、こうしたリスクをどう管理しながら分散を効かせているかのヒントとして参考になります。
ただし、これをそのまま丸ごと真似るというより、「自分のインデックス投資という土台があるからこそ、サテライト部分として小型増配株に挑戦できる」という位置づけで捉えるのが、無理のない取り入れ方だと思います。
感想
本書は「高配当株投資はすでにやっているが、次のステップとして”配当を育てる”視点を取り入れたい」という方や、「インデックス投資だけでは物足りず、サテライトとして個別株にも挑戦したいが、大型の高配当株はもう出尽くした感がある」という方にとって、新しい引き出しを増やしてくれる一冊だと感じました。
まとめ

ヘム氏の新刊『マンガでわかる!超はじめての増配株投資』は、「増配」「割安(バリュー)」「小型株」という3つのコンセプトを、すべてマンガでゼロから学べる超入門書です。
活字の投資本にハードルの高さを感じていた方や、これから増配株投資を始めたい方にとっては、無理なく読み進められる一冊になっています。
また、著者が実際にYahoo!ファイナンスで銘柄をしぼりこむプロセスや、300銘柄以上のリアルなポートフォリオが公開されている点は、経験者にとっても読みごたえのある内容です。
私自身のように高配当株投資とインデックス投資を組み合わせてFIREを目指している立場から見ても、「今の利回り」だけでなく「将来育つ配当」という時間軸を持ち込むきっかけになる一冊でした。
インデックス投資という土台を持ったうえで、サテライト的に増配株投資を取り入れてみたい、という方には特におすすめできます。
増配株投資に関心のある方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

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